Case1.仕事編
東京出身のAさんは沖縄に移住して5年になるが、仕事がなかなか続かない。沖縄の高い失業率もなんのその。持ち前のアグレッシブさで自分のスキルを売り込み仕事をゲットすることはできるのだが、どの職場でも人間関係でトラブルメーカーとなってしまい、今までにもう3回も転職をしている。賃金の安さも気に入らないし、Dさんから見ると県内企業の福利厚生はお粗末そのもの。夢見ていた楽園暮らしとはほど遠く、最近では「東京に戻ろうか」と考えている。
失業率・平均残業時間・低賃金で全国一!
沖縄の2006年の年平均失業率は7.7%。前年から0.2ポイント改善したとはいえ、全国平均の4.1%と比較すると、沖縄では仕事を見つけるのは相当多難であることが推察される。
さらに、沖縄の労働時間は年1780.8時間と全国平均より100時間長い。
しかも平均給与は21万円で、全国平均より6万円も低いのだ。こうしたことから県内では生活保護世帯が1万5,000世帯にも上っており、50万世帯の3%が生活保護を受けている。
しかし、沖縄に限らずスキルのある人間は引っ張りだこ。
ある一定の職務経験のある移住者の場合、仕事を探すのはそう難しくないだろう。
問題は入社してからだ。特に大都市圏で働いていた移住者はトラブルメーカーになりやすい。それは沖縄の「のんびりムード」に合わせないからだ。
スピードと的確さを求められる大都市の企業と比べると、沖縄は人間関係ものんびりなら時間の流れものんびり。それをイチイチあげ連ねては人間関係も損なわれるというものだ。
沖縄の悪い点を指摘するのはいい。しかし、それにもTPOがある。言うべき場所で、伝えるべき相手に話さないと、その意図は伝わらない。また「東京では…」「沖縄の人は…」といった言い方をしやすいのも移住者の特徴。
いくら、ウチナーンチュが穏やかでも、これでは全うな人間関係は築けない。沖縄でお金を稼ごうと思う移住者はまずいないはずだ。沖縄で壁にぶち当たったら、すぐに帰ろうとするのではなく、自分が沖縄に来た目的や目標をもう一度見直してもらいたいものだ。
Case2.生活編
埼玉出身のBさんは移住暦1年のビギナー。連日、言葉との戦いだ。仕事を得るために通った自動車教習所(沖縄では普通免許がないと、なかなか仕事が探せない)では車のことを知る前に教官の話している内容が理解できない。
沖縄ではイントネーションも違うし、話の途中にしばしば方言が挿入される。
道をたずねようにも漢字が読めない。
相手が何と言っているのか分からないから、仕事でも失敗の連続。
ほとほと疲れ果てるBさんだ。
日本語じゃない!?
周知瑞慶覧、保栄茂、喜舎場、平安座、饒平名、慶留間…あなたはいったい、どれくらい読めただろうか?
それぞれ、ずけらん、びん、きしゃば、へんざ、よへな、げるま、と読むのだが、中には沖縄の人でも読めない漢字があるから、本土の人が読めなくても当然。
問題はむしろ日常会話の方だ。
標準語が普及!?しているとはいえ、年をとればとるほど方言の使用率は高い。アパートの大家さんにゴミの出し方を注意されても、何を言われているのか全く分からない場合だってあり得るのだ。
またこんな小さな島だが、地方地方で言葉が違う。ある地方では方言がペラペラしゃべれても、他の地方に行くとしゃべっている内容が「何となく分かる程度」。
沖縄人でもけっこう困る場合は少なくないのだ。分かったフリをするより、むしろ「オバア、私はナイチャーだからさー」とハッキリ伝える方が後々トラブルにならずに済む。
Case3.車事情編
兵庫県から移住を決めたCさん夫婦。
那覇近郊の町に移り住み、夫は那覇市内に職を得た。移住費用が思いのほかかかったため、車の購入は夫が通勤に使う1台だけ。妻はバスを使うことになった。
ところが、本土の公共交通機関と違って、沖縄のバスは全く当てにならない。時間前だろうが後だろうが、乗る人の姿が見えないとサッサといってしまうのだ。
しかも車社会の沖縄ではどこへ出かけても渋滞。もともと引っ込み思案な性格の妻は段々家へこもりがちになっている。
車がないと自由がない
バスや電車等、公共交通機関の整備が全国水準から大きく立ち遅れている沖縄県。
住民はどこへ行くにも自家用車だ。県の一世帯あたり車保有台数は1.78台(平成十六年現在)と、東京都の0.80台、全国平均の1.55台を大きく上回る。
「車がないと自由がない」と言われるほど、沖縄県は車依存社会なのだ。しかも通勤時や週末となると、どこもかしこも交通渋滞となる。さすがに「○○を先頭に25`」といった本土のような渋滞は無いものの、幹線道路である国道 58号線は夕方ともなると、毎日1キロ前後は必ず渋滞する。
30分で帰れるはずの自宅に、1時間から1時間半かかるのはざらだ。
沖縄に移り住んで5年になる、ある移住者は「来た頃より道が混むようになった」と感想を漏らした。
行政も交通渋滞緩和対策をいろいろと打ち出してはいるものの、今のところなかなか効果は見えていない。
さらに、沖縄は案内標識の整備も遅れているため、地名で行き方を指示されると移住者はアウトだ。本土のように、どの交差点にも「○○町」などの標識があると思ったら大間違いだ。